今となってはもう、携帯がなかったころはどうしていたんだか、
よくわからなくなることがある。
約束の時間に間に合わないときはどうしていたか。
声を聞きたいのが夜中だったらどうやり過ごしていたか。
相手がどこにいるのか知りたくてもわからないときはどう思っていたか。
電話に出られないことを、いくらでも言い逃れできた時代は、
それなりにスリルもあったはずだけど。
いつどこにいても、誰からでも追いかけられてしまうようになって、
こういう怖い状況もうまれてくるんですね。
仕事の電話に追いかけられるほうが、まだよっぽどマシ、って感じかな。
最初は曲とダンスだけを見たので、
日本語字幕を見るまではよもやこういう内容の曲だとはわからなかったわけだけど、
強気の歌詞なのか弱気の歌詞なのかよくわからない。
わかるのは、こういう曲は、
ものすごく熱いファンのいる人気のある歌手でなければ歌えないだろうということ。
その辺の奴が歌おうものなら、
何様のつもり?
とでも言われかねないというか。
執拗に追ってくる女がストーカーまがいなのか、
必死で束縛から逃げようとする男がいけないのか。
これ、逆の立場で歌詞を書いたら面白いかも。
アイドルグループ向けの歌詞ってのは、
歌詞だけを読んだらちょっと気恥ずかしくなるような甘い言葉が並ぶが、
こういう曲を東方神起に歌わせるプロデューサーも面白いなあと思う。
彼らのパフォーマンスに自信があるってことですよね。
で、また、彼らの追い詰められたような表情で、
一つひとつ、ポーズを決めながら歌うのがいいです。
こういう女とはつきあいたくないだろうけど、
ま、けっこう女ってこうなっちゃうんだよねっていうことも、
つきあってみないとわかんないしね。
が、面白かった。
みんなそれぞれ、そのシチュエーションをイメージしてて。
韓国ドラマだと、携帯にいやな電話がかかってくると、
たいていは電池パックをはずして投げるのですが、
それはなかったですね。