Music Videoにストーリーがくっついたものが出たのは、
マイケル・ジャクソンの「スリラー」からなんだそうだ。
あれは見事に音楽の世界観を映像化していて、
単にMVというよりは、1つの映像作品って感じだった。
私が韓国ドラマにはまったころは、
韓国ドラマや映画に出る俳優たちが出演するMVっていうのがたくさんあって、
それをネットの中から探すのに躍起になったものだ。
5分位のMVで、ドロドロやメロメロのドラマがちゃんと起承転結をつけて描かれていて、
ショートムービーを見るような感じ。
ドラマのOSTのように曲もいいところで盛り上がる曲が多くて、
日本ではそういうドラマチックなMVっていうのがなかったせいもあって、
それはそれで、俳優見たさにいろんなのを面白く見ました。
歌手のビジュアルがあんまり重視されてない時代でもあったから。
ダンスアイドルグループが出るようになって、ネットがどんどん動画に対応してきて、
K-POPが韓国の重要な輸出品となっていって、
それをPRするために「歌とダンスを見せる」MVがたくさん出るようになった。
耳に残るリズムと曲調、きれいにそろった手足の長い子たちのダンスの動画は、
私たちの興味を引き、ネットの奥底まで深くたどるように導いていった。
挙句は海外サイトでCDを買い、ライブチケットを争奪するまでに。
同じ流れが東南アジアや南米にもあるんだろう。
MVはアイドルたちをかっこよく見せ、K-POPを聴かせるためのものになっている。
リダの今度のMVを見てると、昔のMVに戻ったかな、という感じがする。
なんか映像にばかり目がいって、
音楽がOSTみたいになって聞こえてしまって。
「韓国の伝統文化」と「破格のラブシーン」を見せるMVは、
音楽と映像が乖離しちゃって、
キム・ヒョンジュンの歌とダンスを添え物にしちゃってるように思うのだ。
それって本末転倒な気もするんだけど。
「UNBREAKABLE」feat. J.Park by Kim Hyun Joong
まあ、いずれライブの映像がどんどん出てくれば、
いつものように、MVを見ることもだんだんなくなってくるので、
これはこれで置いといていいような気もする。
リダが肩の力と目の力を抜いて、
髪も伸びて、筋肉も落ちてきたころ、
女性ダンサーの力も借りずに、
またこの曲たちをどうやって歌うかと思えば、
それはそれでまた楽しみも増えるかなと思う。
セクシーとか男らしさていうのは誰の力も借りずに、なんの背景もなくても、
感じるときには感じるし、
発散するときにはにじみ出ちゃうものなんだよ。
いろんなものの力を借りようとしてるうちは、
まだまだ。
まだまだ、と思わせとくのが、
リダの「手」なんだ、と思っとく。