4 Chance

K-POPについて日々思うこと。曲やコンサートの感想。

アジト

SMが新しく打ち出したコンサートのブランド「THE AGIT」。

10月のSHINeeのジョンヒョンを皮切りに、専用の小さい劇場で、

次々にソロライブを開催している。

そのジョンヒョン君のアンコンがあって、ライブビューイングを見てきた。

新宿は300人ほどのスクリーンだったけれど、

スクリーンの向こうのソウルの会場も映画館より少し大きいくらいの

こじんまりしたところ。

日本でいうところの「リサイタル」みたいな感じだ。

AGIT.jpg

「アジト」と言うのは韓国のドラマではしょっちゅう見かける。

高校生くらいの男子が集まって、遊んだりする隠れ家。

あちらの人たちは好きみたいだが、日本では最近はあまり聞かないことばだ。

学生運動の時代のアジトと言うのは良く聞いたけど)

花男」のF4たちも学校内に豪華なアジトを持っていたし、

「相続者たち」の男子たちも、ごく親しい仲間だけが入れる部屋を持っていた。

とにかく、そういう特別な響きを持つところに、ファンを呼んで開催する小さなコンサート。

ジョンヒョン君のことはもちろんSHINeeとしてしか見たことがない。

曲を自分で作るということは知っていたし、ソロデビューしたことも知ってたけど、

正直言って、活動曲はあんまりピンと来ていなかった。

(ここにも書いたかもしれない)

活動曲だったから、あえて華やかな曲だったのかもしれないけど、

SHINeeの枠を飛び出してまでやることかな、くらいに思っていたのだ。

ライビュを見に行くことが決まって、

1週間くらいで、アルバム曲を予習したのだが、

いつも付け焼刃的なことはあまり役に立たない。

これと言って、すごく気になる曲もなかったし、

ダンスのないボーカリストのライブ、飽きないかなあとちょっと心配していた。

2時間半ほどのライブで、もちろん生中継のため字幕もなく、

トークはまったく分からずじまいだったけど、

21曲最後までただただ感心して聴いていました。

私が聴いてたあのアルバムの曲、こんなにかっこよかったっけ?とか、

こんなに色っぽい歌いかたしてたっけ?とか、

それよりも、これ全部同じ人が歌っているのかなと思えるくらい、

多彩なリズム、いろんな声色、幅広い音域。

ふつう、歌の上手い人が歌うと、

何を歌ってもその人の色になって聞こえるのだけど、

ジョンヒョン君の場合は、歌の雰囲気、リズム、テンポに合わせて、

声がどんどん変わっていく。

なので、上手いけど、ロックでもポップでもかわいい曲でもしっとりした曲でも、

変幻自在というか、いろんな表現力で見せてくれる。

歌うだけでなく、自分で曲作りもするのだから、たくさんのひきだしを持っていると思う。

その面白さ、多才さに感心して、最後まで引き込まれてしまった。

たぶん、自分で歌おうとしたらどれも難しくてとても歌えないと思う。

ジョンヒョンの音楽はそれほど気易い曲ではない。

でも彼が歌うのを見ていると、こともなげだ。

なので聴いているのはとても心地よい。

高音の人だと思っていたけど、意外と野太い低音も出るのでびっくりした。

これで踊れるなんて、こういう子、日本にはなかなかいないタイプと思う。

歌える、作れる、しゃべれる、踊れる。

これだけのことができるんだから、頭も悪くないと思う。

それで、映りのいい大画面で見ると、すごくかわいい顔をしている。

遠目より近くがかわいい。

ライブの途中、イヤモニの調子がかなり悪かったらしく、

ずいぶん気にしていて歌いづらそうなところもあったけど、それもまあライブならでは。

DJもやっているせいか、コミュニケーションも上手。

カスタネットやカズーをつかって、客席と一緒に楽しんだりしていたが、

なにしろ難しい曲なので、合わせるのはとても大変。

「Beautiful Tonight」 by Jonghyun

アジトを日本にも作る気はないだろうか。

日本では1000人の会場でやるのはとても難しいと思うが。

ライビュの会場では、おそらくソウルよりずっと多い何千人が見ていたと思うけど、

まあ、隠れ家だから、大人数は無理かな。