5日は14時からジョンミンのライブを見て、
そのあとみなとみらいへ移動。
GWに旅行もしないのに、空港と港へは行ったという。
19時からはパシフィコ横浜でイェソンのミュージカル。
羽田から横浜っていうのは意外と簡単に行ける、というのを初めて実感した。
ライブとミュージカルのはしごというのも初めてだったけれど、
時間に余裕があったこと、移動時間が意外と短かったこと、
間で食事をしようと思っていたけれど、羽田でもみなとみらいでも、
お店に困ることはなさそうだったことが幸いした。
天気も良くて交通機関の乱れもなく。
(GWで道路は渋滞。こういう時は電車移動に限る)
ミュージカルを見るときは、どんなものでも
必ずストーリーは予習していくことにしている。
ネタバレしたくないというよりは、しらなくて大事なところを見逃したくないから。
特に字幕の時は、字幕よりもステージに集中したいときがあるので、
その間どういう話になるのかわからないと字幕を追ってしまうから。
映画はストーリーを知らずに見るけれど、ミュージカルはちょっと違うかなと思う。
事前に得た情報では、
主役の二人、オリバーとクレアがロボットであること、
(もちろん)未来の話であること、
充電が切れそうになったクレアが向かいの家のオリバーに助けを求めに行くところから話が始まること、
二人が、もともとプログラムされていなかった「愛」を感じるようになり、
付き合いだして、やがて別れるまでの話であること、
オリバーには行方不明の主人がいて、その帰りをずっと待っていること、がわかった。
韓国で創作され、ちょうど1年前に日本でも上演されていること、など。
東京公演の4日間のチケットを申し込めるだけ申し込んでみたが、
(当たったら当たったで、その時考えようと思って)
結局、5日の公演分しか当たらず、
2回は見たいなあと思っていたのに、1回だけの観劇になった。
事前に、イェソンがスパショやなんやで忙しくて練習ができていないということを
エルプにインスタで泣きついていたので、
あ~、初日じゃなくてよかった、と思っていた。
1回しか行かれないのなら、ちょっと立ち直ったところで見たいじゃないですか。
それも私が当たった日は舞台挨拶もお見送りも何もない日で、
もう、こっちは舞台に集中するしかないわけだし。
初日の様子を伝えるツイッターから、イェソンの緊張ぶりは、
それを見たエルプの緊張ぶりも伝わってきて、
話に感動して涙がとまらないとか、また見たくなるとかいうコメントを見ていたので、
そういわれるとかえって落ち着いて、本気でじっくり見よう、
できれば「イェソン」じゃなくて、「オリバー」が見たいなあと思いながら横浜へ向かった。
話は予想以上によくできていて、
今まで見たマンネの「カフェ・イン」やユナクの「あなたの初恋探します」と同じように
登場人物が少なくて展開が早くて、かわいらしくて、ちょっと胸キュンの仕上がりになっていた。
こういう話は、「間」がとても大事で、ちょっとしたミスが、雰囲気を壊しやすい。
小道具の置き換えや動きなども、俳優たちが演技の中で行うので、
よほど練習が必要だろうなあと思う。
それなのに。
あとから聞いたら、イェソンが通しで演じることができたのは、「初日」だったそうだ。
もうあの膨大なセリフと歌詞、動線だけを頭に叩き込んだってことだけど、
字幕が出るので、大きく違ったことを言うと、な~んとなくわかるし、
(字幕のタイミングは誰かが調整してるんでしょうけど)
私が見た日は、向い会う家で「糸電話」で話をする二人のシーンで、
その糸電話の糸が切れる、というハプニングも起きて。
そこでセリフが飛んだりしないのだろうか、と心配になる。
イェソンが演じるオリバーは、レコードと植木を愛する、ちょっと人見知りなロボットだ。
時間に正確で、「ありがとう」と言われると「どういたしまして」と答えるようにプログラミングされている。
クレアは、明るくて、はっきりした性格。これまでの主人からは捨てられたり虐待されたりしているようだが、
その都度自分を初期化して、そのことを忘れて暮らしている。
クレアはオリバーより新型で、オリバーに言わせると、
メーカーが利益を重視して新しい充電器を使うようにしたぶん、寿命が短いらしい。
オリバーは、自分の充電器ではクレアが使えないため、
部品を作って、充電できるようにしてやる。
自分を曲げなくて、他人のイレギュラーな介入を嫌がるところや、
クレアの言うことにいちいち反論するところなどは、
バラエティで見るイェソンに似ている。
見ているほうは、どうしてもそれを思い出す。
初日前にインスタでうまくいかないかもしれない言い訳をしたイェソンと、
オリバーの小心なところがかぶる。
他のキャスト、SE7ENとソンジェバージョンを見ていないので、
これがイェソンに寄せた演出なのかどうかがわからないけれど、
ロボットとしてどのようにふるまうか、というところには素が出るような気がする。
SE7ENはちょっと気難しそうで、ソンジェはかわいらしいんじゃないか。
どっちも見たかったなあ。
オリバーもクレアも、誰かを愛する感情をプログラミングされていないので、
お互い好きになることはないと思っているが、
(ロボットが思っているというのは変だ)
AI(人工知能)は、膨大なデータを学習することで次の行動を決めていくものだ。
ロボットとしての長い経験の積み重ねが、
あるいは、これまで見てきた人間の行動が、
二人をひかれあうようにしたのかもしれない。
お互いがお互いを好きで、相手も自分を好きだと気付いた後、
イェソンの歌い方が変わったように思った。
それまでは、生硬な感じのする、少しそっけないくらいの歌い方だったのに、
愛を知ったオリバーは、穏やかなバラードを歌うイェソンだった。
そこを見て、このミュージカルを、この大変なスケジュールの合間に、
やろうと思ったわけを知ったような気がする。
それでこの曲を思い出した。
「Spring in me」 by Yesung & Dalchong
ロボットだけど、オリバーとクレアは人間のカップル同様に、
蜜月の時間を過ぎると、いさかい、気持ちがすれ違うようになる。
そしてお互いのロボットとしての寿命が短い(オリバーのほうが性能がよい分、ちょっと長い)ことに気づき、
故障がちになったクレアは別れを切り出す。
お互いのメモリーをリセットして、元の生活に戻ろうと。
人は過去をリセットできないけれど、ロボットはできる。
どんなに悲しくてつらい記憶でも、まったく消えてしまうよりマシ、と思える展開。
ラストは意外で、秀逸だった。
元の日常に戻った二人は、またクレアの充電切れがもとで、同じ出会いを繰り返す。
途中、クレアが2回くらい、「どっかであったことないですか?」とオリバーに聞くのは、このせいか。
この2人、何回これを繰り返しているんだろうか。
その都度忘れ、また一からやり直し、リセットしては、新しく出会う。
いや、同じ失敗を繰り返す人間も、結局同じようなものかも。
私、すっごく集中して見たので。
やっぱりイェソンの練習不足の感は否めない。
時々こっちがハラハラするような場面、変な間が空いたなと思うところもあって、
それもまあロボットらしいといえばそうなのだけど。
相手役のジュヨンさんもそれほどベテランではないようだけど、ずいぶん助けられていた。
こういう小さい舞台は、大学路(テハンノ)のような小劇場で長い公演をやれば、
どんどん良くなるのだろう。
SE7ENとソンジェは再演なので、また違う姿を見られたのかもしれない。
たとえ4日間でも毎日見てくれて、ちょっとした違いや成長を感じてくれるファンもいれば、
私のように1日しか見られず、それだけで判断するファンもいるわけで、
やりながらだんだんうまくなるってのはどうなの?とも思うわけだが、
もし再演のチャンスがあるとしたら、もう1回見てみたい気はする。