日本人はよほどラベルの「ボレロ」が好きらしく、
それほどマニアではなく「ちょっとクラシックが好き、と言ってみたいくらい」に好きな人向けのオーケストラの演奏会ではこれが演奏されることが多い。
日本のオーケストラからが外国のオーケストラ、
市民楽団から学生オーケストラまで、何度聴いた事か。
ま、私も「その程度のクラシックファン」なのであるわけです。
曲の最初から終わりまで途切れることのない3拍子のリズムは妙に耳に残り、
後半に向かって盛り上がっていく曲調も、たぶんみんなが好きな理由だろう。
お祭りのお囃子もこんな感じでえんえんと同じリズムが続いて、
でもだからこそ中盤からかなり盛り上がるって言うか、音に酔ってしまうっていうか。
東方神起の「Bolero」は、やっぱり韓国じゃなくて日本で生まれた曲だなあという気がする。
このリズムは絶対に日本人にうけるし、詩もとても日本語っぽい。
韓国語を日本語に訳したら、かなり意訳しないとこういう風な表現にはならないだろうと思う。
ラベルの「ボレロ」同様、この3拍子にもけっこう酔う。
実はこの曲のMVはあまり好きじゃない。
バレリーナはいらないなあ、と思いながら見てる。
ダンスがない曲だからって、他の人のダンスを見せることもないのに。
ライブで歌うときの5人のせつなくのびる高音がいい。
違う声質の5人が交互に歌うと、ラベルの「ボレロ」のように音質の違ういろいろな楽器が音色を合わせるのと同じように聞こえる。
その異質感が違和感なく聴こえて、絶妙のハーモニーになりながら、だんだん声量が上がっていくのが心地よい。
この曲ほど、ファンの歓声が邪魔になる曲もないと思うので、
Music FairなんかのMVなみのきれいなセットで聞くのが好きです。
NHKのカメラワークも捨てがたいけど。