これはいつもベッドサイドの棚においてあって、
「今日は疲れたな~」と少し神経が高ぶってよく寝られそうもない時に、
ときどき開く。
で、ほんとうに癒される。
普通アイドルの写真集っていうのは、屈託のない笑顔がいっぱいだろうけど、
これは屈託どころかあまりに緊張感がなくて。
こんな写真集は絶対にファンでなければ買わないだろうし、
アートな価値をたかめた写真集を作って、
ファンでない人にも買ってもらおうなんて夢にも思ってないだろうし。
この写真集を企画した人に拍手を送りたい。
これほどお金をかけずに、これほど余分な編集力も使わずに(使ってたらごめんなさい)、
ポーズをとるだけのはずのアイドルに好き放題させるのも珍しいかも。
もちろん、これはあまりに・・・とボツになってる写真はたくさんあるんだろうけど。
面白いのは自分で自分を撮っている場合はめちゃめちゃポーズをきめてて、
他のメンバーがカメラをむけているときは、恐ろしく無防備なこと。
いつもの笑顔じゃなく、仲間に向ける笑顔だったり、
つかれて不機嫌な顔もそのままだったり。
アイドルは普通、口開けて寝てる写真を外に出さない。
神秘のベールに包まれてるのがアイドルってものだろうが。
でも、SS501は全然平気らしい。
かっこよく見せようとがんばってる裏の姿さえも、惜しみなくさらけだしてしまう。
(惜しんでないのか、それともさらに裏があるのか)
目に映った風景を捉えたものも、それぞれが視点が違って面白い。
写真ごとに付いているコメントは本人が書いたのか、
しゃべったのをライターが書いたのかよくわからないけど、
いかにもそれらしかったり、とてもそれらしくなかったり。
素の姿だけじゃなく、頭の中までみせてしまっているよう。
少々高かったけど、日本語付きを買った甲斐があった。
(相変わらず日本の会社を通してないものは、変な日本語だけど)
一緒についてるDVDのそれぞれのPhoto Storyの「ユルさ」がまたなんともいえない。
自分の番じゃなくても、ちゃんと聴いてるのは、ツッコミを入れ続けるマンネと、
キュジョンくらいじゃないかと思える。
他のメンバーの番でも、注意してずっとリダだけを見てると、
あきれるというか、惚れ直すというか・・・。
Photo Story のBGM 「呼吸」にのせて、5人からの「サランヘ!」
まったく化粧っ気のない様子など、ファンにとってもお宝だけど、
若い日の「記録」がこうして残っているというのは、彼らにとってもよいことなのでは。
数え切れないほどの写真を撮られていると思うが、
アイドルグループとして韓国と日本を行ったり来たりした、忙しい日々の記憶として。
スターたちの写真集を見ていて、どういう形であれ、
若い日の記録がちゃんとした“かたち”で残ることをうらやましく思うことがある。
(あとになってみれば過去の汚点となるかもしれないことも、含めて)
デジカメが普及して、いらない写真はどんどん簡単に消されてしまって、
妙に小ぎれいでとりつくろった写真しか残らなくなるだろうと思うと。
この写真集がこのさきどれくらい私の手元に残るかわからないが、
いつかこれがふいに取り出されて、これを見ながら日々の疲れを癒された日々を思い出して、
懐かしむ日が来るかもしれない。