初恋は普通、かっこいい男の子に、する。
クラスでもめだってきれいな顔だが、けっこう無口。
でもサッカーがうまかったり、あるいはもくもくとギターを弾いたりする。
男の子とつるんでばかりいて、クラスの女の子には見向きもしないけど、
彼女がいるっていううわさはたえない。
だから、あたしなんかにふりむいてもらえっこないな~と思いつつ、
こっそりその子が写ってる修学旅行の写真を注文しちゃったりなんかする。
それが今でもひきだしの奥にはいってたりなんか、するんだな。
告白も何もできないまま、彼とはお別れする。
別々の学校へ進学したり、引っ越してしまったり。
きれいな思い出として、私の心に残る、彼。
しばらくすると、明るくておしゃべり好きな彼ができたりする。
いつもにこにこしてて、「昨日、休んだでしょ? どうしたの?」なんて聞いてくれる。
彼は誰とでも仲良く話をするから、どこでも人気ものだけど、
特別私には気を使ってくれるような感じがして、
気づくと一緒にランチをしたり、時には喫茶店で長話をしたり。
女の子といるようで気楽だし、そんなところを友達からもうらやましがられたりして、ちょっと自慢。
彼のおかげで、学生生活はほんと楽しい。
彼、って呼んでもいいのかな?
就職したりすると、学生時代とちがって、周りに大人の男性が増える。
いままでとはちょっと違った感じ。
急に同級生たちが子どもに見えたりする。
学生時代の友達みたいな彼は、就職して地方へ転勤しちゃったりして、会えなくなった。
会えなくなるとやっぱりさみしい。
そんな時仕事で助けてくれた先輩がとっても頼もしく見える。
恋愛だってたくさんしてて、私の気持ちなんてすっかり見透かされてるようだし・・・。
私にだけ優しくしてくれるんだ~なんて思ってると、隣の課の女子にもいやに親切で気になる。
オンナのあしらいが妙に上手なBad Boy。
でもさりげなくデートに誘ってくれたりするんだよね。
そして、私が知らなかった大人のデートをしてくれたりして・・・・。
先輩のすすめるカクテルに酔うたびに、
ああ、先輩の過去にはたくさんのオンナの人がいたんだろうなあと思うけど、
今この優しさ、わたしだけのものだわ・・・なんて。
それが錯覚だったとわかるのは、
先輩が取引先の女子社員とあっけなく結婚するって聞いた時。
もう、恋なんかするものか、私は仕事に生きるんだ~!!!
・・・・と思っていても、なんとなく家と会社の往復はさみしい毎日・・・・。
そんな時現れたのが、私の下に配属されたかわいい男子社員。
目がくりっとして、お肌もつるんとして、もうかわいいったらありゃしない。
仕事を教えながら、一緒に食事なんかをしてると(もちろん私のおごり)、
あっちから仕事の心配ごとなんかを相談されたりして、なんか頼られてる感じで。
年下のクセに、ときどきえらそうなことをいってびっくりするけど、それもかわいくて・・・・。
なんかこういう子といると、なごむなあ、なんて思うのは、私も年をとったのかしら?
でも。
私には男性をリードする役なんて向いてない。
頼られるのも最初はよかったけど、だんだん重荷になってきた。
こっちの機嫌をとろうとしてふりまく愛嬌にも、なんだかくたびれてきた。
やっぱり、だめだわ、私にはこういうタイプは。
結局最後に行き着くのは、さりげなく相手を思いやれるタイプ。
いつのまにそこにいたのかわからないけれど、
思い出すといつもそこにいたような、空気のような存在。
ときおり、それもものすごくいいタイミングで、あったかい言葉をかけてくれる。
いろいろ見たけど、やっぱりこういうタイプが一番なんだわ・・・・。
きっと彼もいろいろあったんだろうけど、それがいい方向に実になって、
彼をいい男にしたんだ・・・・。
と、ようやく悟れた私は幸せ者なんだろう・・・・。
以上。
SS501で見る恋愛遍歴でした。
どの辺で手を打つか、によって、人生は変わると思います。
ちなみに。
このような5つのタイプが同時期に周囲にあらわれることはまずなく、
リダのようなタイプを追い続けると、なかなかうまくいきません。実感してます。