AERAの今週号の表紙は、GUCCIのCEOとかいう人だけど、
この人の記事のなかに「ああそうなんだ~」と思うことがひとつあった。
(いや、それ以外の内容も興味深かったんですけど)
私たちは流行の発信者になりたい
(正確じゃないけど、そんな内容)
不況の中にあって勢いのあるユニクロだけど、
「売れるものを作る」というのは、すごく理屈にあっているようで、
結局はこちらが「売れてますよ~」と言われるものを買わされているという状況なんだろう。
流行(情報)の発信者になりたい、
っていうのは、ファッション業としてはごくあたり前の発言だろうけど、
今の状況は、いろんなものが手軽で安くて簡単な方向へ流れていっていて、
そのものの価値で何かが動くというよりは、
世の中の状況とか多くの人が向く方向とか一種のムードみたいなものに流されてるように思う。
K-POPをいろいろ聞き始めると、
それぞれのグループやアルバムに個性や方向性を出そうという意気込みは感じられるけど、
最近聞き始めたころの新鮮さや驚きが少し落ち着いたせいか、
「似てきた」と感じることがある。
それはもう既にJ-POPでは相当前から感じていることなんだけど、
売れる曲は売れるように作られている気がしている。
ユニクロの服と同じ・・・なのかな。
K-POPのヒットチャートを見てると、
2週間くらいでトップ10はころころ入れ替わる。
新しいグループや歌手もどんどん出てくるし、
(もう全然覚えきれないし)
1ヶ月も満たないうちにその曲での活動をぴたっとやめて、
しばらく潜伏、またカムバックと言う繰り返しは、
そうでもしないと目新しさを維持できないからなんじゃないかと思う。
映画やドラマのOSTは本来の歌手活動とは別のところにあって、
その曲で長く歌い続けるということもないし、
いつもいつもチョコレートのような腹筋や贅肉が1mmもないような体つきを維持するのを見てるのも、
けっこう疲れてくる。
いま、この流れと違うものを出して、
受け入れられなかったら・・・と言う思いは、
ちょっとのチャレンジも躊躇させるのかもしれない。
「Destination」を出すちょっと前、リダが言っていたこと。
「大ヒットはしないと思う」と言うことの意味を、
そのCEOの言葉でちょっと思い出した。
「Love Ya」は3週間ほどの活動期間で、1週だけ1位を取ったけど、
確かに「大ヒット」じゃなかった。
3週間くらいの活動ではちゃんと伝えられないという意味だったのか。
今、韓国での時流である音楽とは違うから、という意味だったのか。
真意はいつか本人に聞いてみないとわからないけど、
「僕たちは、今の流れにまどわされることなく、僕たちらしい音楽をやっていくからね」
と、聞こえなくもない。