「イタKiss」の視聴率が低空飛行を続けている。
秋夕にはちょっとは盛り返すんじゃないかという期待もあったようだけど、
それほどでもなかった。
ここまでの感想としては、
恐ろしく原作に忠実だなあと思う。
キャラ設定だとか、ストーリーだとか。
リダが入江君に決まったとき、
これ以上のキャスティングはないんじゃないかって思われてたようだけど、
視聴率が悪ければ、リダのせいにされることは目に見えていた・・・かも。
主役ってそういうもんでしょう。
F4プラス、クム・ジャンディの時とちがって、
ストーリーの展開がスンジョとハニだけにならざるを得ないし、
もともとそういうマンガなんだって思ってみていればあんまり違和感がない。
ただその違和感のなさがかえってよくないんだろうなあと思う。
入江君って、日本でいうところの「かっこいいけどやな男」そのまんまなんだよね。
琴子は入江君が大好きだから、入江君のいいところを必死で探すし、
琴子を好きになる入江君も琴子にだけはちょっとはやさしいところや弱いところを見せるし、
でもそれって、周囲には「入江君もいいとこあるじゃん」程度にしか見えない。
これってリダがどうのこうのより、
入江君って言うキャラが韓国でウケるのかどうかっていう勝負のような気がする。
「花男」では花沢類と言うキャラに、
「両親がいない」とか「おじいさんとの確執」とか、
原作にはない設定が加えられた。
そこがいかにも韓ドラっぽかったのだけど、
残念ながら「イタKiss」にはいまのところそういう原作を逸脱した背景がない。
頭がよすぎてなりたいものがこれと言ってない、ということが、
果たして共感できるのかなあと思ったけど。
たぶん一般人には想像もつかない悩みなんだろう。
でもそれはそれ。
それもマンガのままなんだ。
入江君ってそういう人。
琴子も琴子で、いくら頭がよくてかっこよくても、
友人からは「ちょっとやめときなよ」といわれるような入江君に、
猪突猛進というか、
入江君と自分の、頭の違いや、いろんな違いをわかってるのかわかってないのか。
でもそういう入江君が琴子みたいな子に振り向くからそれがマンガで、
そのマンガを実写化してると思えば、よくできているなあと思うのだけど。
頭がよくて社長の息子で容姿端麗な入江君が、
いずれ職業を選ぶことになるけど、
そもそも入江君がなれない職業なんて、このマンガ上、あるのか。
「頭の悪い女は嫌い」だったはずの入江君が、
どういうわけか琴子にどんどん惚れてしまう展開は、
男だと思っていながらどんどん惚れてしまう「成均館」のユチョンに比べて、
確かに障害が低い。
本来なら、琴子の最大の敵である入江君のママまでもが琴子の味方であるわけだし。
視聴率が悪いことなんか、
海の向こうからどうしてあげることもできないんだけど。
でもさあ、「障害のない人生劇場」も視聴率が低いと思うよ。
わたしなんかうっかりリダペンになってから、
こんな大変な目にあうなんてよもや思ってなかったけど、
でも、5人のことがどうなるのかとか、
視聴率なんか気にしちゃったりとか、
けっこうはらはらどきどき、楽しい毎日。