「郷に入っては郷に従え」と言う。
「韓流」が怒涛のように押し寄せてきたころ、
自国のやり方を押し通そうとしたところはいろいろトラブルを起こし、
日本になじもうとしたところはうまく行った、
って言う話を良く聞いたころ、この言葉を思い出したもんです。
J-POPとして売り出した東方神起がその良い例で、
SMEと言う事務所が彼らを通じて得たのは、
その利益よりもたぶん、「日本の音楽業界事情」のノウハウだとか人脈を得たほうが
大きかったんだろうと思う。
レコード会社や広告代理店っていう業界のない韓国と日本では、
いろんな商習慣が違ったことでしょう。
学ぶためには投資が必要だ、と言うことを
いち早く知っていたということが重要だった。
昨日、友人と韓国料理を食べに行ったのですけど、
まあ、注文してから出てくるのが早いこと。
どうせいっぺんには出てこないとふんでいろいろ注文したこっちが悪いのかもしれませんけど、
テーブルに並びきらないほど一度に出してどうするっていう。
思わず友人が、「あんまり一度に出すぎじゃない?」とお店の人に言ったのですけど、
「どんどんでてこないと食べきれないと言うお客さんがいたもので」との返事。
なるほど、味をかみしめる前に次を出しちゃうわけね。
最近K-POPアイドルたちが矢継ぎ早に日本デビューやコンサートをやって「進出」するのは、
この韓国料理の出し方に似てるなあと思った次第です。
日本料理のように一品一品味わいながら、
この器もいいねえなんていってる場合ではない。
今、韓国のプロデューサーたちは、K-POPを日本になじませようとするのではなく、
K-POPをK-POPとしてそのまま持っていきたい、と思っているらしい。
現地化ではなく、あくまで今流行しているK-POPのサウンドを日本でも流行させたいのだと。
私は韓ドラが好きで、K-POPも好きだけれど、
毎日韓国料理が食べたいわけではない。
そして毎日日本料理を食べているわけでもない。
日本には、特に東京には世界中の食べ物があって、
毎日のランチも、和・洋・中・伊・韓と毎日違う国の料理が食べられるほど、
選択肢が多い。
韓国のファンは飽きっぽいと良く言われるけれど、
日本人は、飽きっぽくはない代わりに、とても選択肢が多いのだ。
そこで生き残っていくために必要なのは、
同じようなものを次々に出すことではなく、
競争力であり、ほかと違う何かであり、目新しさであると思う。
それにはまず、その市場がどんなところであるかっていうことを
知ることがやっぱりまず最初なんじゃないか? なあ?
SS501が東方神起と同じようにやっぱり「現地化」の路線をとり、
日本の楽曲でデビューしたことを残念に思うファンは多いと思うけれど、
いまほどK-POPが認識されていなかったあの当時は、韓国側にも日本側にもその度胸はなかったと思う。
彼らの短い活動によって得た教訓は「KARA」の日本進出に十分な経験になった思うけれど、
それが生かされなかったことがちょっと残念すぎる。
リダの事務所が「音楽制作」に乗り出すとか。
ふうん。日本デビューも自前でやるのかなあ?
私の願いは「かっこよくデビューして」と言うことだけだけど。