John-Hoonのアルバム「VOICE」がとてもいいです。
日本の女性アーティストのカバーだけのアルバムを作るという話を目にした時から、
ちょっと期待はしていたんですが、
予想以上でした。
「恋におちて」とか「Everything」をコンサートで歌っていた時から、
この路線はありだな~と思っていたんですが、
レーベルを移ってこの企画を実現することができたっていうのは、
John-Hoonのそういう魅力をわかってた人がいたということなのか、
彼自身がイケると思っていたからなのか。
女性アーティストの曲だけのカバーアルバムっていうのは、
どっちもユニバーサル所属なので、そこのノウハウなのかもしれない。
もとが女性用の曲だけに、だれが歌ってもよく聞こえるというわけじゃなくて、
オリジナルの音が個性的で有名な曲であればあるほど、
カバーするほうの実力が必要と思う。
いやいややっぱり元の歌手が歌ったほうがいいよ、っていうのでは失敗なので。
日本の、特にこの年代の曲は歌詞に思いとか含みがたくさんあるし、
歌い方も独特なものが多いから、
カバー歌手の個性がよほど際立たないと負けてしまう。
John-Hoon自身はどっちかっていうと見た目と違って、
男っぽい雰囲気があるんだけど、
意外と男性曲よりも女性曲がはまる。
自分の声は「ロックみたいな曲には声が合わない」と言っていたことがあるけれど、
こういうバラードに合うっていうことも歌手としては大事。
アルバムを買ってからずっとリピートして聞いているのだけれど、
不思議と飽きないし、
それどころかJohn-Hoonの声にどんどんはまっていくような気がする。
もちろん、彼の日本語能力の高さは言うまでもなく、
テンポのゆるい曲だけに発音のごまかしがきかないから、
ちょっとでも違うとそこで曲の魅力を損なうのだけれど、
全然そんなこともなく。
そしてそれ以上に歌詞の理解力が優れていると思う。
私が言うまでもないか。
10曲のうちでも強めの曲、「Departure」なんかはアレンジそのものをバラードに変えていて、
まったく違うJohn-Hoonオリジナルの曲のように聞こえるし、
原曲でははっきりしなかった音程まで微妙に合っていて心地よい。
曲によって声の出し方を変えたりしていて、
「歌手John-Hoon」の実力をいかんなく発揮したと思う。
10年ちょっと前くらいから、
女性の曲でも相手(男性)を「あなた」ではなく「きみ」と表現することが多くなって、
(たぶん宇多田ヒカルあたりからと思うけど)
それをJohn-Hoonが歌うと、もともと男性曲だったようにも聞こえて、
気持ち的には女性っぽいところが今風の草食系にも思えて、新しい感じ。
「会いたい」をテーマに選曲したということだけど、
聞いているほうからしたら、「会えたね!」という気分だ。
さすがにアルバムの曲はまだ上がっていない。
「Everything」は今回は入っていないけど、これも大好き!
でもこの時よりも「VOICE」のJohn-Hoonはさらにいい!