新しい挑戦とか活動の場を広げるとかよく言うけど、
ジョンミンの今回の挑戦はほんとにいろんな意味で良かった、と思う。
青山劇場で上演中のミュージカル「ifi(イフアイ)」を観て、
観る前の心配は吹き飛んだし、これからの可能性が広がったことを実感できた。
日本で新曲を出したり、会社を作ったり、
相変わらず高額のディナーショーを開いたりと、
いろいろ不安というか心配してた。
韓国のドラマを断って日本のミュージカルに出ると聞いたときは、ちょっと驚き、
そのミュージカルのレベルの高そうなことにちょっと不安になり、
単なるチケットを売るためのキャスティングじゃないといいけどと懸念もあったんだけど、
想像以上にこのミュージカル自体が新しいチャレンジで、
思ったよりストーリーのカギになる大きな役で、
ダンスシーンもありソロ曲もあり、
見終わって思い切り拍手できました。
観に来てるよ!っていうサインを示すために、
カーテンコールではペンラを振ろうと思ってたんだけど、
会場のスタンディングオベーションがおこって、
ダブルアンコールになって、
なんかまっとうに評価された感じがする。
男よりも男らしいと言われる宝塚の男役、
男役ファンには、退団後に女優になることが許せない人もいるそうだけど、
背の高い蘭寿さんよりもさらに背の高い男優やダンサーに囲まれて、
ああ、やっぱり本当の男の人たちは違うなあというところもあって。
蘭寿さんがまだ半年前までの男役を捨てきれないと思われるのに、
周囲の力強いダンスや歌声の効果で、逆に人生の選択に悩むかよわい女性に見えた。
ジョンミンの低くて甘い声も、女性には出せない声なので、
2人のハーモニーはちゃんと男女のデュエットに聞こえたし。
共演の男性陣は、もう本当に「男らしく」て、
その中でジョンミンのかわいさ、甘さ、スタイルのきれいさは際立っていました。
死んだ恋人(ジョンミンの兄)を求めて物語の世界をさまようユーリ(蘭寿さん)を、
現実の世界に呼び戻す、それも強引にじゃなく、やさしく手を引いて連れ戻す役というのは、
変な色気があってもだめだ。
人生の苦悩がいろいろなシチュエーションで表現されているストーリーの中で、
くったくなく笑うジョンミンの雰囲気は、救いというかまさしく癒しそのもの。
それでいて、それはいつも見ているジョンミンと違うわけではなく、
のびのびしている感じが、最後にユーリにも笑顔を取り戻したと思えるほど。
ネットを見ていると、宝塚ファンの方たちの評判もおおむね好評のようだ。
最近はテレビ番組に韓流アイドルが出ることがほとんどなくて、
K-POPアイドルをたくさんの人が見る機会がなく、
ファン層が広がらないことが残念だなあと思っていたが、
今回のミュージカル出演は思いがけないところで目をとめてもらうチャンスだと思う。
お客さんだけでなく、日本のミュージカル関係者の目にも留まるといいな。
会場には宝塚ファンだけじゃなく、ミュージカルファンもバレエファンもダンスファンも来ていたようだし。
今回の舞台はどの分野でも主役ができるキャストがそろっているそうで、
ジョンミンを見ていると、話の大筋とか、あちこちで踊っている人たちを見逃してしまって、
いつもの「字幕付き」の舞台よりもかえって忙しかった。
終演後は、リピーターチケットのカウンターに次の公演のチケットを求める人が殺到していた。
私ももう一度見たいかな~と思うくらい。
できればBバージョンを(^_^;)
どこでどういうルートでジョンミンにこの役が回ってきたのか、ほんと知りたい。
以前出演したミュージカル「絆」の関係者もいたようなので、そういうつながり、まさに「絆」なのかもしれない。
蘭寿さんより背が高いこともポイントだったと思うし(包容力っていう表現の意味でも)、
もちろん日本語ができることも有利だったと思う。
他の男性陣にない雰囲気もありながら、
ユーリが男性として惹かれるほどの強さもないっていう微妙なところもよかった。
宝塚時代の蘭寿さんをほとんど知らないはずのジョンミン。
宝塚の男役トップスターがどれくらいすごいものかを、知らないからできたともいえるかな。
特に蘭寿さんはあの音楽学校に主席合格、その後もずっと主席を通したという方らしいのだが、
それを知らずに見ていた私も、純粋に素敵だった、かっこよかったと思える舞台でした。
ストーリーは、「もし、あの時こうしていたら。。。」という仮定の世界を描くものだが、
もし、ジョンミンがこの役を受けなかったら?
その選択は、彼の人生も大きく左右するだろうな、と思う。