4 Chance

K-POPについて日々思うこと。曲やコンサートの感想。

花といえば、桜

アンコールの1曲目を終わって、

「アンコール、ありがとうございます」

と客席に向かって深く頭を下げたジュンス

私の記憶が間違っていなければ、前のソロコンの時もジュンスはそうだった。

「ありがとう!」というスターもいるし、言わないスターもいる。

当然の儀式のように、私たちはアンコールをせがむが、

あんなにていねいに「ありがとうございます」と言われることはあまりない。

満員の観客を前にステージに立つ、そのことが

ジュンスにとってどれだけ当たり前ではなかったのか、それでわかる。

東京公演の初日と2日目を見ることができて、

正直、平日に仕事をした後に2日連続はきついなあと思っていたのだけど、

結果的には2日見ることができて本当によかった。

初日は北スタンド2階、ほぼ真横から見る感じでダンスの全体を、

2日目はアリーナC、センターステージを右前方に見る感じの席で、

ジュンスの姿は良く見えなかったけれど凝った舞台演出の全貌を見ることができた。

両方をいっぺんによく見られる席は限られていたと思うので、

いつかDVDが出たらまたゆっくり見る楽しみもできた。

2曲以外を全部新しいアルバムから披露。

全部に振りつけと演出をつくるのは途方もない作業だと思うけど、

「番組とかに出られない分、いつも新しいものを」という言葉通り。

どっかのインタビューに、

「前の曲に数曲を足して、新しいアルバムとは言いたくない」とあった。

ジュンスの中には、やってみたいことがいっぱいあって、

まるで次の新しいことを探すのに苦労はしないかのようだ。

ツアータイトルは「FLOWER」。

ちょうど桜の開花に合わせたようなタイトルだったけど、

ジュンスが「花」に込めた意図は咲き誇る美しさだけじゃなく、

いずれは朽ちたり、つぼみのまま咲けない苦しさまでを含めていたという。

日本の桜も、咲いている短い間よりも、その散り方が愛されていることを知っているだろうか。

アンコール前の「最後の曲」は渾身の「FLOWER」だった。

これMVを見たときから、なんというかドラマチックで壮大で、

それでいてなんかどっかのまっすぐなはずの線がちょっと歪んでいるような不穏な感じだったけど、

舞台でもその不思議な世界観はそのままだった。

怖さも畏れもある。

MVでは衣装やセットなどで、いろんな方向から見せていた情景を、

舞台では踊りだけで表現するわけだけど、

でも同じだった。

「FLOWER」 MV

「FLOWER」 by XIA JUNSU (ソウル公演より)

ソウル公演のラップはVCRではなくTABROがナマ出演したんですね~。

いいなあ。

「FLOWER」という公演のタイトル通り、

今回のソロ公演は、そのほかの曲はこの1曲を見せるための、

壮大な前振りだったように思う。

いや、どれもすごかったので、特によかった1曲を選べと言われても難しいのだけど、

「FLOWER」、鳥肌もの。

「FLOWER」 Dance Practice

練習の映像もすごいので。

歌がすごいとかダンスがすごいとか、声がいいとか、

歌っているときとそうじゃないときのギャップがいいとか、

ジュンスの何がいいかなんてもう言いつくされていると思うけど、

それすべてひっくるめて、彼の音楽性というか、

歌うために生まれてきたような天賦の才能はものすごいと思うの。

スゴイとしか言いようがないけど。

表現力がすごいから何を歌っても良く聞こえるけど、

その才能に良い曲というか、作り手が集まってくるというか、

ジュンスにならこの世界を表現してもらえるんじゃないかっていう、

周囲のわくわくぶりもすごいんじゃないか。

作り手も歌い手も踊り手も、

たぶん映像をとる人たちも、

すごくアイデアを持ち寄って、相乗効果を発揮して、

もっといいものができているんじゃないか、と思う。

ジュンスは、な~んにもないステージで、ただ歌っているだけでたぶんすごいんですよ。

でも、あれだけの舞台、いっぱい光を使った演出、映像、

こうしたら、ああしたらもっとよく見えるっていう、

その工夫の過程の楽しさも伝わってくるような舞台だった。

ジェジュンジュンスアメリカに連れていきたいって言っていたけれど、

代々木とか音響の悪い会場じゃもったいない、と私は思う。

思いはするけど、オーチャードホールとか新国立劇場とか東京芸術劇場大ホールとか、

2000人くらいの会場じゃ絶対にチケットが回ってこないような気もするし、

その辺は悩ましいところだ。

どんな小さい会場でも、歌いに来ますよ、と最後に謙虚に言っていたけれど、

ジュンスが小さい会場で歌う日のほうが来ないような気がする。

あと、ミュージカル。

ミュージカルナンバーは、バラコンの時にも何曲か聞いたけど、

ジュンスのミュージカルを日本で見られる日は来るのかなあ。

桜の花があっという間に散ってしまうように、

ジュンスのコンサートもすごく楽しみにしていたのに、

あっという間に終わってしまった。

でも、散った後も、ぐずぐずとその余韻を引きずるというよりは、

また今度と思えるほどすがすがしい気分だ。