日本で一番大きな多目的イベント用の会場だけあって、
あっちからもこっちからもいろんなしかけができる。
そこが日本武道館との一番の違いかな。
コンサートを企画するとき、最初に会場ありきなのか、
演出ありきなのかは知らないけど、
1回目のウネ婚より2回目がパワーアップしたのは、
この会場によるところが大きい。
そして演出が日本人のMASAOさんであることも、おそらく。
さいたまスーパーアリーナという会場で、
どんなことができるか、どういうことをやったら面白いかということがよくわかっていたと思うし、
去年のウネ婚、SS6と続いたSJとの縁も、
どういうことをやらせたらもっと光のかということを知るためには、
十分な経験だったのだと思う。
武道館のウネは、ミラーボールに乗って降りてくるのと、
映像をつかった場所の移動くらいが動きのある演出の見せ場だったけど、
さいたまでは、最初のヘリコプターでの登場から、
アリーナをすごいスピードで走り抜けるバイク、
メインステージとセンターステージの移動、
MVのダンスとステージ上のダンスをぴったり合わせて見せるところとか、
ワイン農場風にしたてた衣装や演出とか、
次々にいろんなことがおこって、
どっちかっていうと今回のほうが前回のテーマ「びっくり箱」っぽかった。
観客を飽きさせないためには、セトリの順番や転換のスピード感はもちろんだけど、
曲と演出がぴったり合う微妙な調整も重要だ。
ウネは1曲のうちに会場をひと回りかけぬけて、
曲が終わると同時にぴったりとメインステージの定位置に戻ってポーズをとる。
その時の照明の具合といい、
会場を埋めたエルプの歓声までもが計算に入っていたとしか思えないタイミングと思うところが随所にあった。
よほど綿密にリハーサルして、曲の何秒目で何をどうするかを決めていたのだと思うけど、
そういうのってずれたらかっこ悪いし、見ているほうもがっかりする。
それだけにぴったり決まった時の爽快感と言ったらない。
SS6のドーム初日、アナ雪のトロッコが曲の終わりまでにソデに戻れなかったことがあって、
2日目にはトロッコそのものがなくなってしまったんだけど、
そういう後味の悪さがすごく今回の「几帳面な演出」につながっていたのかも。
ぴったり合わせる几帳面さって、日本人っぽい喜びを感じる感覚だなと思う。
トロッコは何回も会場を回ったけど、曲に合わせてそのたびに速さが違ったし、
見ている方も息をつく間もないけど、
舞台裏は本当に3時間を休まず一気に駆け抜けるようだろう。
スパショ同様、途中のVCRも手が込んだつくりだったし、
過去のスパショのVTRを流すという小技まで使ったけど、
ウネがトークで場をつなげられるアイドルで、MASAOさんもちょっとはほっとしただろうか。
あ、あと、歌だ。