これは前から温めていたネタなのだが。
K-POPの人気が短期間にググッと上がった背景には、
いろんな理由が挙げられているけど、
とりわけボーイズグループの興隆には、
あることが大きく貢献しているんじゃないか、と思っている。
それは、「パンツの太さ」。
今、男子のパンツラインは足の形がくっきり見えるほど細く、
くるぶしがきっちり見えるほど丈も短い。
細いのに足が太くてぴちぴちだとおかしくて、おしりがおっきのもNGだ。
2000年代の後半、東方神起やSS501、Super Juniorが日本に来始めたころ、パンツは太かった。
パンツだけじゃなく、シャツや上着もサイズオーバーで、
裾をふんずけそうなほど、長い。
SJのデビューのころ。こんな感じでふっといパンツをはいてた。
今思うと「だらしなく着る」のが流行ってたのかもしれない。
「腰ばき」という言葉があったくらい、ずり下げてはく人も多かった。
「Sorry, sorry」の時はジャケットスタイルなので、
さすがに引きずり感はないが、まだパンツの太もも周りは太い。
下にいくほど細くなっているのがポイント。
つまり、たるませてはいている。
余談だけど、スーツっていうのは踊りにくいらしいですね。
女子で言えばハイヒールを履いて踊るのと同じくらい踊りにくいらしいです。
でもどういうわけか、踊りやすそうな衣装より、踊りにくそうな衣装にそそられる。
両手をパッと上にあげると、衣装が乱れるけど、
あの乱れるのがいいんですよね~。
動きにくそう、見えそうで見えない、あるいはちらちら見えてる。
もしくは体にまとわりつく。ふぅ・・・。
(どういう嗜好だ!?)
次に来るのは、スキニータイプで、もうどうやってはくのかと思うくらい足にぴったぴた。
ハイカットのスニーカーも流行っていたので、足の長さは歴然。
パンツの丈は靴をはいたかかとまで長くして足を長く見せたいという思いの逆を行く。
でもまだ、肩にはパッドが入っていて、スタイルを逆三角に見せるという工夫がある。
順を追ってみるとよくわかるが、
流行はそもそも、足が長く細くてスタイルのいい人を基準に作られているのだ。
K-POPアイドルたちの180cm級の「スタイルの良さ」が、これを際立たせる。
このどんどん細くなる衣装とK-POP人気は相関関係にあると思う。
「MAMACITA」の時には、上着も上半身にぴちぴちだ。
シャツ脳で回りも胴回りも細く、少しの身体のだぶつきも許さない。
パンツも「ベルトで調整」なんていうことはしない。
あくまで「ジャストサイズ」だ。
ジャケット丈も、おしりを隠さない。
こうすればスタイルよく見える、ということの真逆。
つまり、もともとスタイルが良くなければ着こなせないのだ。
靴下の色を奇抜にしてチラ見せしたり、あるいは、はかなかったりして、
以前はそこは見えないところだったところをおしゃれに見せるようにもなった。
足首って、普通は隠すところだけあって、ちょっと見えるとセクシー。
「DEVIL」では、衣装のサイズはもっともミニマルになったと思う。
ジャケットスタイルで、これ以上身体にフィットさせるのは難しいんじゃないだろうか。
もはや服は「鍛えられた身体」を想像させるもの。
この徐々にちょっとずつ細くなっていくパンツラインが、
どれほどアイドルたちをかっこよく見せるか。
その流行にもっともうまくタイミングが合ったことが、
K-POPアイドルたちにとって、幸運だったと言えるだろう。
でも最近、ちょっと懸念していることがある。
パンツの最先端の流行が「太目」に寄っていることだ。
最先端過ぎて、まだ一般人のところまでは降りてきていない。
もうSHINeeのキー君とかはそういうのを取り入れているし、
今年のはじめごろのリョウクのグラビアを見たときに、はっとした。
パンツ、太い。テミンも。
グラビアは流行を先取りするので、これは嫌な予感がした。
そして最近見たNCTの子たちは、もうそこへ行っている。
流行は「若くてスタイルのいい子」たちのものだ。
オジサンがそれを追いかけると、ちょっとそこはかとなく悲しい。
でも、細いパンツスタイルが好きだよ~!