4 Chance

K-POPについて日々思うこと。曲やコンサートの感想。

人気商売

いわゆる第2世代と言われる東方神起SS501、Super Juniorといったところの

メンバーたちの兵役の終わりがだいたい見えてきた。

結成10年を越えたアイドルとして、

それぞれにいろいろあったグループとして、次はどんな姿を見せてくれるのか。

彼らに続いて、日本にK-POPブームをまきおこしたグループの、

解散、活動の中断、メンバーの脱退が相次いでいる。

最初の波には乗ったものの、次につなげていく力量はなかったようだ。

必ずしもメンバーだけの問題じゃない。

彼らが自分たちのその先の未来をどう見ていたかはわからないけれど、

彼らをマネジメントする会社、スタッフたちは、そうじゃなかったのかもしれない。

ある時期は大金を手にしたと思うけれど、それを次につなげていくことができなかったのか、

まったくほかの未来を見ているのか。

そもそも、結成5年より先の未来を見ているグループは少なかったかもしれないし、

男子は兵役、女子はアイドルとしての限界とか結婚のようなこともあって、

とりあえず「今、売れる」ことが第一だっただろう。

奴隷契約が問題になったとき、

盛んに「売れるまでにかけたお金」と「その回収」について言われたけど、

そこまでは考えていても、その先のこと、

生身の人間であるアイドルたちの将来までは考えてくれてなかったんだろうなと思う。

売り出してくれる人がいて初めてアイドルになれたように、

アイドルであり続けるためにもプロモートしてくれる人が必要だ。

セルフプロデュースする人もいるけど、

仕事のためにお金を回したり、事務処理や渉外をやってくれる人がいなければ、

スターなんかできない。

そもそも30代になったアイドルたちについて、

考えたことがある人がいるのかどうかわからない。

それが韓国で初めてのことなら、芸能界に新しい市場を拓くってことでもある。

そういう人たちがいないのに、誰を信じればいいのかわからないのも無理はない。

道を拓くっていうのは、

モノをつくるというよりも、もっとクリエイティブなパワーが必要だ。

ガールズは軒並み、解散、活動休止に追い込まれている。

KARAにはじまって、Wonder Girls、4 Munites、2NE1、Nine Muses・・・。

グループとしては存在していても、ここのところ目立った活動がないグループも多い。

After SchoolとかMiss Aとか。

いまどきのチェックのひらひらミニスカートをはいて踊る風潮とは、

まったく合わなくなっちゃったというのもあって、

今はもうその波には乗れない年齢だし、

他と違う自分たちだけのカラーを提示できなくなってたということもあると思う。

ファンがいなくなっちゃったんじゃなくて、

ファンが支持し続けられるものがないんだろうと思う。

ガンとして日本に進出しなかったSISTARだけが、

かたくなに自分たちのカラーを守って新曲を出せている。

兵役に差しかかっていて、それを何とか乗り越えられそうなボーイズグループは、

BIGBANGと2PMくらい?

ボーイズグループもユニット活動や俳優としての個人の露出が多くなると、

なんとなく不穏な感じも漂う。

先日は、MBLAQが所属していた会社自体が解散してしまったという話も出た。

脱退、兵役が相次ぎ、残った3人のメンバーが、

ファンに「必ず戻る」とファンとのチャットでメッセージを送っていた。

今は、そうやってファンに直接語りかける方法もあるから、

東方神起SS501のころとはぜんぜん違う状況にもなっている。

まあ、そういうのがあったからって、トンやダブルが何か言い残したかどうかはわからないけど。

BEASTは1人が脱退したあと、契約更新せず(できず)、

事務所を出た5人がどうなるのか、

グループ名をどうするかとか、いろいろ問題が残っている。

ZE:Aも契約の更新を乗り切れなかったし、

U-KISSも新曲は出してるものの、脱退やら結婚やらがファンが離れる理由が相次いでいる。

TEEN TOPは、1人が契約解除し、グループとしての活動がどうなるのか注視中。

三大事務所と言われる最大手以外のところは、

やっぱりいろんな意味で「体力」がないように思う。

いろんなことがその場しのぎで、長い目でものを見るヒトががいないようだ。

新曲が出るタイミングというか活動の間隔がだんだん長くなっているように思うし、

逆にここぞとばかりどんどん出してくるグループもある。

どうも「今売れている方」へ、会社のいろんな資本(ヒト、モノ、カネ)が集中してしまう。

少し前に、SJ-MのヘンリーがSNSを使って、ファンに訴えかけていた。

「会社は何もしてくれない」。

確かにSJも休業中だし、SMはいろんな子をソロで出しているけれど、

なかなか彼の順番がまわってこなかった。

もうファンよりほかに、窮状を訴える場所がなかったのかもしれない。

その訴えが功を奏したのか、ファンからに熱い声援が起こって、

彼だけのファンクラブができることになったようだ。

「つらい時、ファンを頼ったのは、偉い」という声も聞かれた。

ヘンリーは、曲も作れて、踊れて、歌も歌えるけれど、

活動するためには、まわりがその気になってくれないことにはどうにもならない、

ということが浮き彫りになってる。

でも、ほかの子が同じやり方をするのはどうかな。

ヘンリーのやり方は、上下関係にうるさい韓国社会ではなじまないかもしれない。

(彼はカナダ人だからOK?)

人気商売って本当に大変だ。

神話とかSechs Kies、S.E.Sのように、復活がありがたがられるのは、

それなりのヒット曲を残した場合だけ。

ある期間だけでバッと売って、どんと儲けるっていうやり方もあるかもしれないけど、

そうやって行くうちに、一人ひとりが自分の「これから」について考えるようになったら、

これをやり続けるべきか、方向転換するべきか、いろいろ悩むんだろう。

売り出すときは、その時のブームに乗っていけばいいけど、

自分の道を行きたいとなれば、人とは違う何かが必要だ。

その時はもう、人と同じことをしていたら、生き残っていかれない。