もう何人のアイドルを軍隊に送ってきたかわからないし、
入隊前最後のコンサートっていうのも何回かあった。
こっちは「2年なんてすぐ」と思っているけど、
本人たちは、やっぱり不安でたまらないらしく、
どうしても最後には涙を浮かべるのを見ると、ついもらい泣きしてしまう。
それでも、もう何人ものアイドルが、
ちゃんと戻ってきて、元のように活躍しているのをみていれば、
7,8年位前よりは、心配も小さいのではないかと思う。
韓流やK-POPがジャンルとして居場所を作れるかどうかというのは、
アイドル本人たちの頑張りの成果というよりは、
どうやら国同士の関係のあやふやさの上に立っているようなので、
その点については2年後にどうなっているかなんて、想像がつかないけど。
キュヒョンのセカンド・ジャパン・ツアーの最終日。
横浜アリーナの追加公演では、
最後に演出のまさおさんがステージにあがって、
「2年なんてすぐだよ!」と、泣いたばかりのキュヒョンを元気づけていたけれど、
45歳のまさおさんにとっての2年と、20代のキュヒョンの2年とは、
そのスピード感が違うと思う。
同じように時間を刻んでも、
私たちにとっては、2年があっという間すぎることが問題で、
キュヒョンにとっては、気の遠くなるような時間であることが問題だ。
追加公演を横浜アリーナで一人で、
しかも平日に2日間やるということは、
本人にとっても、ペンにとってもとても困難なことに思えた。
だからキュヒョンはあえてそれまでの公演の内容をいじって特別な公演にしたし、
ペンは、一つでも多く席を埋められるように頑張ったと思う。
13日はちょっと空席も目立ったようだけど、
14日、本当にこれが最後という公演は、スタンドの上段まで埋まって、
満席でなければできないバナーの演出も用意されていたし、
開演前に場内を見渡したエルプたちも、ホッとしただろう。
オープニング曲からアンコール並にトロッコで場内を回る。
さすが、タイトル曲を前半に歌うほど、斬新な演出。
思えば、この日のコンサートそのものが、
キュヒョンのソロツアーすべての、「アンコール」なのだ。
もううこの声をナマで聞くことはできないというのが、
1曲進むごとに重みを増してきて、会場の空気もだんだん張りつめてくる。
いつもの気楽な雰囲気はなく、よけいなおしゃべりをすることもなく、
みんなキュヒョンだけを見つめて、聴き入っていた。
毎回のリクエストコーナーの代わりに、
ミュージカル曲を、芝居を交えて入れてくれて、
ソウルまでミュージカルを見に行けなかったペンには、うれしいプレゼントだった。
「モーツァルト」と「ウェルテル」。
両方とも、人としての悩みの深い役柄だ。
育ちの良いキュヒョンとはちょっとかけ離れたタイプの役なので、
暗い部分をあえて笑いに変えてしまうようなところがあるけど、
渾身の歌いっぷりというか、
例によって「今日はのどの調子が~」と言っていたにも関わらず、
広い横浜アリーナに声を響き渡らせて、思い切り歌ってた。
3rd アルバムに「Still」を提供したソン・シギョンさんが、「Still」の途中から合流。
ウソみたいなハーモニーを聞かせてくれた。
ナマ「ソン・シギョン」は初めてだ。
韓国のコンサートはゲストは普通だけど、日本のコンサートでは珍しい。
しかもこんな超大物歌手。
ものすごい声量で「歌うたいのバラッド」をさらっと歌った。
確かに、あのあと空気がちょっと変わったのを感じましたね~。
さすがです。
そのあと、キュヒョンのセトリもバラードばっかりになって、
別れてしまう悲しい内容の曲が多くて、
ただでさえ、これでしばらくのお別れのコンサートなのに、
どんどんさみしさが増幅される。
イェソンは日本でソロ活動をする前に兵役に入ったので、
歌詞と現実の別れが重なることはいままでになかったかもしれない。
それでも1曲、1曲終わりに近づいていく。
ダンスコンサートのように、こっちも立ち上がって飛び跳ねるようなコンサートではないので、
熱唱するキュヒョンを見つめることしかできない。
いつもは泣かないキュヒョンがめずらしく泣いて、
それで私はちょっと正気に戻ったけど、
最後に会場と一緒に歌った「光化門で」の歌詞がまた泣けるんですよね。
キュヒョンが日本語と韓国語で歌った後に、
会場が「韓国語で歌ってあげる」というのがサプライズの1つ目だったけど、
あれ、韓国語にしてくれたのは正解だったと思う。
字幕を追うのに精いっぱいすぎて、キュヒョンも笑っちゃってたけど、
日本語だったら、悲しすぎて歌えなかったかも。
アリーナ席(横アリではスタンド)だったので、
銀テには手が届かず。
出口のところで、配っていた親切なエルプから1本いただきました。
パシフィコ横浜公演のあと、家で床におとした拍子に、割れてしまって、
接着剤とテープで補強されたペンラと、
「おつかれさまでした。待っているよ」と書かれたバナーと。
SJを見始めてから、ほかの誰がいなくても、
いつもキュヒョンだけはそこにいた。
エルプにできることは、
残してくれた曲を聴きながら、ただ待つだけ。