4 Chance

K-POPについて日々思うこと。曲やコンサートの感想。

会場が一つになる、ということ

ソウルのSMTOWNで、モクチとSpring Rainを歌った兄さん。

大阪では2曲目は日本で出した曲にするんだろうと思っていたら、

意表をついて、聖子ちゃん、ジュリー、ひろみ郷のメドレーだった。

この前のソロコンで披露したやつね。

出番は4番目で、まだ会場の空気もあったまっていなかったろうけど、

直後からツイッターで続々その情報が入ってきて。

終わってみれば「ユノの次にもりあがった」というのが大方の感想で、

「会場の年齢層が高いのでみんな知ってた」とか「昭和歌謡メドレー」とか言われていた。

J-POPと書いている人がいたけれど、

J-POPという言葉が生まれるより前の時代の曲ですから。

POPではなく明らかに「歌謡」。

青い珊瑚礁」で、「あな~たに~、あうたび~に」のところで

「タンッタタン」っていう手拍子が入るのだが、

面白かったのが、たぶん若い子が、

「お母さんくらいの年代の人が、急に変なリズムを取り始めてびっくりしたら、まわり中みんなやってた」

というの。

当時のままの掛け声や振りを、30年以上たっても覚えていたわけでもないのに、

体が動いてできるなんてすごいことなんだよ。

イェソンは出したばかりの曲「Splash」ではなくてこのメドレーを歌ったことで、

「SMTOWNを盛り上げるために、自分の曲じゃなくて、日本の曲を歌うなんてすごい」

と賞賛を浴びていたけれど、

いやいや、これはかなり計算高い、と私は思ったけど。

日本でテレビに出られない以上、5万人の前で歌う機会なんて

単コン以外にないわけだけど、

イェソンは、曲のPRより「自分」のPRを選んだってことだなと思う。

この3曲で、彼がどんだけ歌がうまいか、きっとわかっただろうし、

イェソンは歌がうまいとは知っていても、エルプじゃなければナマで聞いたことのある人なんて、

それほどいないだろう。

良く知らない持ち歌を歌って休憩されるよりも、

立ち上がって一緒に歌ってもらう方がどれだけイェソンという人を知ってもらうのに効果的だったか。

いいと思った人のうち、何人かでも、次のソロコンには行ってみようかとか思ってくれればいいわけだし、

なんなら新曲はYou Tubeで聞いてくれてもいいし、iTunesで買ってくれたらいいわけだし。

その、「聴いてもらうためのきっかけ」は欲しかっただろう。

SMTOWNはたぶん日本のa-nationをまねたものだと思うけれど、

韓国でやる意味と日本でやる意味は全然違うと思う。

会場を見てもわかるように、

韓国では各グループのペンの競演みたいになっているけれど、

日本ではファンのためというより、

SMの歌手たちのファンのすそ野を広げるためのプロモーション的な意味合いが強いと思う。

今回遠隔操作のペンライトの使用について、

いろいろ意見が飛び交っているけれど、

まずあれを使うってところが、イベントとして何を目指しているかっていうことと

大きくかかわっていると思う。

おそらく韓国ではあれはできない。

決めたルールを守ってくれる日本人だから、できる。

あとそのルールを知らせるためには、事前にちゃんとメールで告知できる

チケボであるっていうことも大きい。

「事前に聞いてない」とは言わせない。

一部ルールを守らない層がいたみたいだけど、

今の日本では若い子の方が「人がやるなら自分もやる」的な意識が強いと思うし、

下手におとなな方が、「自分たちのやりたいようにやる」気持ちは強いと思う。

まだ、本当に何かを強制されたことがない若い層と、

いくつもいくつもガマンしてやっと解放された大人層との違いかな。

演出側としては、会場の光を使って盛り上げ、

みんなで応援するっていう一体感を出したいのだろうと思う。

最近では、ステージ上のパフォーマ―だけの力じゃなくて、

設備とか音響、効果、あるいはそこにいる人も使った演出っていうのが流行っている。

それでより演出効果を上げるということもあるし、

会場の一体感を出すっていうのもある。

そもそも日本のコンサートやイベントではグループカラーとか専用のペンライトとかがあまり使われないので、

そういった効果が出しやすい。

勝手にペンライトの色が変わることを、「面白い!」と思えるか、

「うざい!」と思ってしまうか、どっちかだろう。

ソウル公演、EXOパフォーマンス中

ソウル公演、少女時代パフォーマンス中

このSHINeeのグリーンのファンダムは、

目立つために大きな長いペンライトを複数持ちしているそうだ。

日本のペンもこれをやってみたいのだろうと思うけど、

韓国のまとめてペンカフェでチケットを裁く方式じゃないととても無理。

大きな東京ドームでは、ペンの席もバラバラだし、

ペンが勝手にペンライを振ってもまとまりがないと貧相だし、

ペンライト効果が出るグループとそうじゃないグループの差がはっきり出すぎる。

グループごとの演出を効果的にやって、

東京ドームっていうステージにはまだちょっと無理があるグループでも、

ちゃんと盛り上げてあげられるのが遠隔操作ペンラってことなのかなと思う。

一部ファンに不満が出ることは承知の上だったと思う。

それでも「告知」とか「お願い」を出せば、従ってくれる数もそれなりにいると踏んでいたと思う。

会場内ではグループのペンラを振っていると係員に注意されるというツイッターも結構目にしたし、

「ルールは守ろうよね」という呼びかけもある。

ドームに集まった5万人を使って、かっこよく演出しようとしているのに、

あえてそれを乱そうとするのは、

そういう最近のイベントの在り方に対する反逆っていうか、

(そういうとかっこよくも聞こえるけど)

まあ、理解がないっていうか(知らないんだろうけど)、

結局「自分だけ」っていうことなんだろうな。

言っとくけど、SMTOWNは単コンじゃない。

それに主催側は、どのFCからの申し込みでチケットが売れているか知ってるはず。

だからけっこう色がばらつくこともわかってたと思う。

ドームの5万人って、3万人くらいが盛り上がっても、けっこうダメなんですよね。

5000人くらいだといてもわかんないかもしれない。

沿革操作は技術的にはそれほど新しくはないけれど、

演出する側はやってみたいんじゃないかと思う。

いままで東方神起SHINeeではこのやり方をやったと思うけど。

いずれ韓国でも遠隔操作をやる日が来るかな?

そうしたらペンとの間にどういう抗争が起きるのか、ちょっと興味深くもある。

兄さんの昭和メドレーの話だった。

(「二億四千万の瞳」は平成になってから出た曲らしい)

日本のSMTOWNでは毎年誰かが日本の曲をカバーするけれど、

(「いちご」とか「夏の終わりのハーモニー」とか)

今回は他になかったので、イェソンがそのパートを受け持ったのかもしれない。

盛り上がるってことはソロコンでわかってたと思うし、

その、盛り上がってくれる層に向けてのアピールだったと思う。

ウケることよりも、注目してもらうことを狙ってた。

それにあの手拍子で、会場がひとつになれるってこと、

ペンラの色が一斉に同じになるのと同じくらい効果がありましたね。