4 Chance

K-POPについて日々思うこと。曲やコンサートの感想。

ユニクロっぽい

うちはCSが見られないので、プデュってやつをずっと横目で見てたんですね。

I.o.Iの男の子バージョン、Produce 101のシーズン2。

国民が直接プロデュースするっていうあたり、

AKBの総選挙に似た感じもあって、

そのあたりからなんだかな~と思ってた。

みんなでよってたかって選ぶとろくなことはない、というのが私の持論。

そりゃみんなで選べば

みんなが一番納得してるというのももっともだし、

人気が高いということも言えるだろう。

多数決というのはすごく民主主義的ではあるが、

人気と評判以外の価値基準を排除しかねないので、

何でもかんでも投票で選べばいいってもんじゃないと思う。

オリンピックのロゴマークとかね。

無難な線で多くの賛同は得られたかもしれないけど、

ものすごくいいってもんでもないでしょう。

アメリカの大統領も選挙と言えば選挙で選ばれているけれど、

51対49でも多数決は多数決なんですよね。

過半数に足りないと、連立政権を組んだりして、

けっこういろんなことを妥協しながらやらないとならないし。

多数決だと表面的にはみんなからの人気は得られるが、

ちょっととんがった個性は出てこられないというデメリットもある。

似たり寄ったり、となることが多い。

どいつもこいつも、とも言う。

会社のロゴマークを決めるようなときも、

「社員全員の意見を聞きました」ということになると、

ろくなデザインにならないことが多い。

だって選ぶのは素人だから。

誰も文句を言えないようにした代わりに、ダサいということになる。

私はWanna Oneのメンバーが選ばれる過程の番組を見ていないので、

メンバーの区別も、選ばれた経緯もぜんぜんわかってないのだが、

できあがったMVを見てて、可もなく不可もなく、

いかにも普通に見えたのは、なんとなく予想してた通りというか。

女の子の時もそうだったし。

「Energetic」 by Wanna One

MV公開時からものすごい人気だそうだ。

そりゃそうだろう。人気のある子だけを選んで作ったグループなのだから。

誰が曲をつくるとか、振付をするとかも初めから公開されてたし、

何より曲を出す前に、一人ずつをすごくアピールする場を与えられてた。

話題性十分、人気十分、期待度十分で出したのだから、

売れて当たり前だと思う。

1年という期間限定のグループだし、ファンになったからと言って、

これから先ずっと貢ぎ続けなければというプレッシャーもない。

MVを見たとき、私は「ユニクロみたい」と思った。

今一番売れる商品だけを大量に作って安く売るユニクロ

ユニクロの服って、どこの服だかわかんないけれど、

しいて言えばユニクロかな、というのが特徴だと思うんだけど、

他の誰とも違うとか、高級感があるとか、エッジが立っているとか、

そういうのはない。

はやっているから、みんなが着ているから、お手頃だから、

最近はそこそこ品質もいいから、

まあそういう理由ですごく売れている。

ユニクロはお店もどんどん出して、商品もどんどん売れて、

みんながユニクロを着ているけれど、

超高級ブランドにはなれない。

理由は、「みんなでよってたかって作ったから」。

顔だちも衣装も曲もダンスも、

みんな既視感があるっていうか、どっかから持ってきたような感じがする。

この短期間に、このグループをどうするかっていうビジョンはおいといて、

ともかく、すべてに今一番はやりのモノを持ってきたというか。

もちろん、ユニクロを着ていてもかっこいい人はいる。

それはその人がスタイルがいいとか、生き方がかっこいいとか、着るものに左右されないからだ。

Wanna Oneの中にも、そういう子がいるかも。

そういう子はいずれこの枠から飛び出していける子。

でもユニクロしか似合わないとしたら、この先が大変かな。

最終に残らなかった子は、もちろん選ばれたこよりダメなところがあったかもしれないけど、

どこかアクが強かったり、変わってたりして、

多くの人からは評価を得られなかったのかもしれない。

でも普通アイドルグル―プをつくるときには、

もちろん見ただけで人気が出そうなタイプも入れるし、

歌がうまい子、ダンスのうまい子も入れると思うけど、

そういったアクが強いのも、ちょっと変わったのもちゃんと入れてくる。

それが単なる人気投票と、プロのプロデュースの違いじゃないだろうか。

アイドルたちは、それぞれビジョンを持った「工房」から、

コンセプトを決めて、集められて、差別化されていく。

シーズンごとに新しい曲やダンスを見せたり、

長年一緒にいるからこそのトークを見せたりして、

徐々に高級ブランドに成長していくのだ。

人と人は組み合わせの妙というのもあって、

イケメンばっかりよりも、見た目はともかくおしゃべりが一人入ったほうが面白くなるし、

うるさいばっかりの中に、一人ぼおっとした子が入ると、意外性が出る。

場面によって誰が前に出て、誰が一歩引くかとか、

そういう、グループとしての特長は、メンバー同士がやりながら生み出していくものだと思うが、

1年限定のグループじゃどこまでできるか。

(というより、できる頃には解散?)

101人から最終メンバーまで勝ち抜くまでのストーリーが、

彼らにとってはすべて。

残ったメンバーにとって、Wanna Oneというグループが1年以上先の未来もなく、

いつか戻ってくる場所でもなく、

ファンが支え続ける場所でもないっていうのは、どうなのか。

日本でいま、いろんなところで言われるのは「サスティナビリティ=持続可能性」というのなんだけど、

今この時点で勢いがあるかどうかだけじゃなくて、

いかにこの先の未来も成長を持続し続けられるかっていうことなのね。

その意味ではユニクロも、商品の品質を挙げたり、新しい素材を使ったり、

コストを下げるような努力をしたり社員が長く働けるような環境を作ったり、

会社として文化やスポーツに貢献したり、いろいろ努力してるわけだけど、

サバイバルして、1年限定っていうのが

なんかこうすごく「刹那的」なところが韓国っぽいと言えばぽいんだけど、

そもそもグループの5年契約とか7年契約とかっていうのも、

それ以上その先を考えてくれてなかったって言うのもあるような気がする。

10年を超える「長寿」グループが出るようになって、

かえって1年限定というのに面白味があるのかなあ。

なにしろ、「解散コンサート」のことまで今から考えられるわけだし。

プデュがどっかで見られたら、見るべき?

でもそのころには解散よね。