2月27日、東京ドームでSHINeeを見てきました。
昨年の12月18日に友人が申し込んでくれたコンサートで、
「申し込んだよ~」というLINEの報告から数時間後に、
ジョンヒョンの訃報を聞くことになろうとは。
たくさんのシャヲルたちが、たくさんの想いをSNSにあげていたので、
彼の死について考えるよりも、
数多くの悲しみのコメント、いろんな人のいろんな悲しみかた、
その克服のしかた、乗り越えられずにいる気持ちに考えさせられることが多かった。
そうすることで、そのおおもとの原因である、
彼の死について考えることを避けていたのかもしれない。
「なぜ」「どうして」ということを考えはじめると行き詰ってしまう。
あらゆる推理や分析、憶測が出尽くしたと思うが、
それでもどうして死んでしまわなければならなかったのかという答えにならない。
シャヲルという枠組みの外側から、私は成り行きを見守っていたけれど、
出棺の時の憔悴した4人を見て、
この子たちは、どんなに悲しくて、どんなに自分を責めて、
どれほど泣いても、どうにか立ち直らなければいけないなあと思った。
すでに決まっていた2月の日本でのドーム公演をどうするのかなど、
その時には考えることすらできなかったし、
グループがどうなるのかということすら危ぶまれる声も聞かれた。
肉体的にはかなりメンバーを追い詰めるようなスケジュールを組むことで知られるSMだけど、
今回ばかりはどうするのかなと。
応募したチケットも一度「保留」となり、公式の発表を待つことになった。
1月に入って、予定通り大阪、東京のドーム公演が実施されることが発表になった。
韓国でも公式の場に出ることなく、日本の4公演をやるという。
4人のメンバーが「やる」と言わなければ、決して実行されなかった決断だと思うので、
私はこの決断を尊重したかったし、
なにより、この2年くらい、一番数多くのコンサートを見たSHINeeだったし、
キャリア的にも年齢的にも、一番ノッているグループだと思っていたので、
ちゃんと立ち直る、大丈夫だということを自分に言い聞かせたいという気持ちもあった。
オニュ君がもしかして兵役前最後になるかもしれない、ということもあって、
東京ドームの最終公演を見たいと思って、そのチケットをお願いしていたことは私にはよかった。
とても大阪公演の初日を見る勇気はなかった。
予想通り、涙にあふれた大阪公演の様子を見て、
2日めから少し落ち着きを見せたメンバーの様子を聞いて、
東京2日目はちょっと腹が座った感じで迎えることができた。
1塁側の2階スタンド席から、この最終日を見守った。
開演時間が過ぎて、ステージ裏から「おぉ~」というメンバーとバンドやダンサーたちの雄たけびが聞こえると、
周囲は歓声とともに泣き出すペンもいた。
私は周囲に先に泣かれると、どうも泣きそびれるというところがあって、
このドーム公演も涙なしで乗り切った。
この状況で泣かないのは変かな、と思ったけれど、
自分でも驚くほど涙は出なかった。
ハンカチちゃんと用意してたんですけど。
それより、ステージで繰り広げられたパフォーマンスに圧倒された感じ。
4度目の東京ドームとはいえ、半端ない緊張感だったと思うけれど、
すでに3日間の公演を終えていたという自信が感じられた。
また、幾分年齢よりは幼い感じがしていたメンバーの顔つきが締まって大人びていて、
相当な覚悟も見え隠れする。
SHINeeのステージとして立派だったんじゃないかな、と私は思います。
一人の空白がかえって大きく見えたという人もいるし、
その空間はきちんと埋められていたという人もいるし、
いや、ジョンヒョンはそこにいた、という人もいる。
このステージを客観的に冷静に見れた人など一人もいないと思うし、
多かれ少なかれ、見た人ひとり一人がどれくらい受け入れたのか、
あるいは、受け止めていないのかによって、
見え方は大きく違ってくると思う。
私は、「一人いない」という悲しみよりも、
たった2ヵ月、公演をやると発表されてから1ヵ月でよくここまでということに感動した。
若くて、美しくて、才能ある彼らは、
きっと、絶対に、ちゃんと立ち直らなくてはならなかったと思うし、
そのためにはファンの前に4人で立つことも、いつか越えなければならない試練だったと思う。
2ヵ月しか時間がなかったという現実が厳しかったかもしれないけれど、
このステージに立つつらさは、2ヵ月でもそれ以上あっても、同じではないか。
これが1,2か月続くツアーだとか、ファンミーティングだとかなら、
また話は違ったかもしれない。
前回のドーム公演にオニュ君がいなくて、5人での再出発だったドーム公演だったから、
やる、やらないの二者択一というよりは、
なんとかしてやる、という方向に最初から傾いていたかもしれない。
酷だったかもしれないけれど、最悪の状況の中で、
ドームに立つ、というのは一筋の光だったかも、と思う。
いつも、何曲ものダンスナンバーを立て続けに歌い踊って、
見ているこっちがハラハラして、あんなに踊ったら死んじゃうと思うのだが、
今回だけはどれだけ踊っても、それくらいで死んだりしない、と思えた。
死にそうなほど踊っても、そこに待っているのは、
称賛の歓声とまばゆいばかりの光なのだ。
最後の曲、5人で収録したという「From Now On」のステージを見て、
5人で歌う最後のバラードを聴いて、
この曲を録音したとき、ジョンヒョンはどんな気持ちだったのかなと思った。
きっとこれを、大好きな4人に泣きながら歌わせる気はなかっただろうな。