4 Chance

K-POPについて日々思うこと。曲やコンサートの感想。

初テミンソロ

なかなか行かれないとなると、

どうしても行きたくなるもの。

去年の武道館ソロコンのチケットが手に入らず、

ようやく見ることができたテミンソロ。

ホールツアーの中でも一番大きなパシフィコ横浜初日で見ることができた。

シャヲルのCちゃん、感謝。

彼女でさえ、1回しか当たっていないというのに。

エルプとしてはファン参加型みんなで大騒ぎのコンサートばかり見てきたので、

「ペンラを振るのも忘れて見入ってしまうテミンのソロコン」というのがどんなものか、

全然実感できないまま、

さらに、新しいアルバムが発売される前だから、

初見の曲が多い、という不安のなか、

そのステージは幻想的に始まりました。

ステージの中央、宙に浮くかのように、

赤い光の中で浮かび上がるテミン。

1曲目は「ペンラ使用禁止」のお達しがあったせいもあり、

そこだけがあやしく光り、うごめいているようなテミンに視線が集中。

こう書いても、なんのこっちゃ、と思うばかりだと思うけど、

見てない人二どうやって説明したらいいのか、よくわからない。

だいたい、VCRがあやしい。

生命の驚異とうか、母体の神秘というか、

「お母さん、赤ちゃんはどうしてできるの?」という問いかけをそのまま、

「ねえ、テミンみたいな子はどうやったら生まれるのかな」という疑問に差し替わる。

見ようによてはこれから性教育の授業が始まるのかと。

テミンは、あなたがたのようなふつーの人からは生まれないんです。

こうやって、こうやって、きれいなお花とか強い生き物とか、地球の神秘とか、

そういものが混ざり合わないと、こういう生き物は生まれないのよ、

とでも言いたげな。

桃から生まれた桃太郎とか、竹を割ったら出てきたかぐや姫とか、

そんな類い。

前半にはそういうわけで新曲がならんでいたので、

ほとんど流れるように時間が過ぎていって、

会場全体が、ぽかんと見ているか、リズムとか関係なく体を揺らしている人とか、

身じろぎもせずに双眼鏡をのぞき込む人とか、

まあ、いつものライブとは様相が違っていました。

終わってみてびっくりしたんだけど、

曲は耳に残るけど、踊りって脳裏に焼き付かない。

目を閉じて、それを思い出そうとしてもできない。

かろうじて、知っている曲は、ああ、ここでこういうポーズとか思い出すんだけど。

テミンの動きが大きくきれいに見えるように、

衣装はいろいろなものがくっついていて、ひらひらしていたり、

くるくる回るとキラキラしていたりした。

パシフィコの席は1階の後方だったけれど、

ほぼテミンの正面だった。

視界に舞台の端から端まではいったので、

美しい演出とテミンが一体になっているのがよく見えた。

ダンサーたちも力強くて、見応えのあるステージでした。

(力強すぎて、テミンよりもダンサーを見ちゃう瞬間もあった)

私個人的には、

K-POPらしいリズムを刻む韓国曲、

「Danger」とか「Tiger」のほうが好きなんだけど、

日本の曲で日本人の振り付けによって踊るテミンはまた全然違う世界観を出していて、

それが観客をうっとりさせる要因なのかもしれない。

私もうっとりはするけれど、そこにはあまりそそられない。

どっちかって言うと中性的な感じより男性的な方が好きだからなのだろう。

シャヲルの、特にテミンのファンがよく、

「お母さん的な本能」でテミンを見守っているというけれど、

それも、テミンがあまり男くささを出さないところから着ているのかもしれない。

その人たちみんな、これからテミンがどんどん「男」になったらどうするのだろう?

自分をお母さんになぞらえて、テミンのコンサートを見ることを、「参観日」と言うらしい。

どうもK-POPの一部には、若い男にうつつをにぬかしている自分を、

ある煙幕で囲いたい、けっして自分は淫らではないということを強調したい人たちがいるようなのだが、

テミンがあのステージの上で、

あれだけ自分をさらけ出しているのだから、その幕は取り払ったらどうかと思う。

(エルプのように変態呼ばわりされるのもどうかと思うが)

振り付けは、これ以上ないってくらい官能的なんだけど、

見ている観客からは、それを受け取っているという濃いムードは伝わってこない。

みんな息をのみすぎて、熱いため息を出していない。

テミンの次のミッションは、

みんなのその熱い息をどうやって吐き出させるかよ。

天使がいつ堕天使になるか。

オジサンになっても、おじいさんになっても、

なんか中性的で、きれいだけど~っていうのを、

坂東玉三郎さんくらいしか思い浮かばないけれど、

いや~、テミン、どうなるのかな~。

「Tiger」 by Tamin