4 Chance

K-POPについて日々思うこと。曲やコンサートの感想。

月バージョン 最終日

月と太陽と君の歌」と題された今回のリダのツアーは、

「月バージョン」と「太陽バージョン」があって、

何が違うかというと、「月」は席あり、「太陽」はスタンディングだというので、

迷わず「月」の最終公演(神奈川県民ホール)を選択。

 

1月の終わりから徐々に拡大していた新型ウイルスも、

2月20日の最終公演当日には、かなり深刻なニュースも流れていて、

おりしも、横浜では大型客船の乗客を大量に下船させた日でもあって。

 

それでも3階までほぼ?満席だったのは、

リダがいつも「最終日は格別」と言い続けていたからだろう。

2月初めに始まった月ツアーでは、毎日セトリが変わるという異例のツアーで、

これまでにもリダのツアーは初日と最終日がガラッと変わってしまうことはあったけれど、

ここまで毎日変わるかなあと思うくらい。

いつものように、一応セトリは見ては言ったものの、参考にはならなかった。

 

除隊以後のリダのツアーは、FCに入っていなかったこともあって、

だいたい2階、3階席から高見の見物をしていたので、

1階席(そんなに良い席じゃないけど)に座るのも久しぶり、

そして1階席のHENECIAがこんなに熱いと知るのも初めてだった。

 

出したばかりのアルバム曲もあるのに、

周囲はほとんど、どの曲も歌っていて、ペンラの振りもちゃんとあっていて、

おそらくもうこれまでに複数回見た人もかなりいるのだろうけれど、

それでも今日が初めてのセトリで、イントロだけで準備ができるって、すごいなあと。

リダと一緒に(ほかのファンと一緒に?)歌いたいがためか、

マスクを着けていない人が多くて、それもちょっと驚いた。

 

オープニングは、アルバムのタイトル曲「月と太陽と君の歌」から。

この曲が1曲目なのも、初めてだったようで、

しょっぱなから、「今日はいつもと違う」っていう雰囲気があったみたい。

 

最終日は、いつもの長いトークもほとんどなく、

次々に繰り出す曲が新鮮だったかも。

いつもと違うといえば、この日は恒例の場内練り歩きはなし。

コロナウイルスに遠慮したのだろう)

 

4曲目?のこの曲はいいなあと思った曲。

こういう曲調がリダの声にはあっているなあ。

 

「Smile in Love (屋台で)」 by Kim Hyun Joong

 

この最終公演には、4つのテーマがあるとかで、

最初が「愛」「喜び」「別れ」そして「希望」なのだそうだ。

どうしてツアー全部をそのテーマでやらなかったのかと思うが、

やりながら考えるのがリダらしいところ。

バンドも自前だから、レパートリーの曲をどんな順番にしようと付き合ってくれるし、

やりながら、いろんなことを考えて、

こういう結論に達したのかと思う。

 

これって、リダのこれまでとそっくり重なるように思う。

ペンのたくさんの「愛」を受けて大人気だったアイドル時代。

ドラマやソロ活動など、一人で大きな舞台へ出て行ってスポットライトを浴びた「歓喜」の時代。

そして、ファンやいろんな人たちとの「別れ」を経験して、

今ようやくこれからのこと「希望」を考えていけるようになった。

 

今回のアルバム「月と太陽と君の歌」で、自分の方向性を決められたと思う、

というようなことを言っていた。

ファンの前にでて、以前のような笑顔を取り戻して、

その次のステップに踏み出せたということだろう。

グループの時代からバンド音楽をやりたいと言っていたんだから、

いろいろあったけれど、夢もかなって、これでやっていこうという気持ちにもなれたんだと思う。

 

一つ、以前と違うのは、

前は40歳くらいになったら、田舎で農業をやりたいみたいなことを言ってたけれど、

どうやらこのまま音楽をやっていく気持ちにはなったらしいこと。

つらい間を支えたファンへの感謝、感謝だけだったこの前のツアーからその先、

「僕についてきて」と言えるまでになったこと。

はにかむこともなく、衒いもなく、「皆さん、愛しています」と言うようになったこと。

全然一緒に歌えてないこっちが恥ずかしいわ。

(歌わなくちゃだめ?とも思うんだけど、周囲があまりに熱いので、申し訳なく)

 

とはいっても、今、リダがやっている音楽は、

これまでのところどうも私の好みではないので、

「え?そっち?」というもやもやな気持ちも正直なところではある。

でもあんなにうれしそうに、「これが僕の道だから」とか「ついてきて」って言われると、

ああ、これが氷川きよし君のファンが抱えているもやもやなのかも、と思ったりする。

 

ライブの中では、相変わらず「HEAT」は盛り上がるし、

(これはもう、楽曲が素晴らしいの一言に尽きます)

みんな「Lucky Guy」や「Kiss Kiss」が好きだと思う。

「Do you like that」は久しぶりに聞いたけど、こっち系はやっぱりK-POPっぽくて好きかな。

途中で、リダがものすごくシャウトしたときは、ひゃ~と驚いた。

これって、対バンとかの影響か?とか思ったけど、

リダもいろんな音楽をやる人たちとの交流の中から、

これはと思うものを吸収していくのは大事。

 

音楽の専門家でもなんでもない私が言うのも変だけど、

今までのリダは、すごく聞く音楽の幅が狭いのでは?と思っていて、

自分がいいと思うものにすごく傾倒する感じがしてたんだけど、

同じロックでも人によっていろんな取り組み方があって、

バンド仲間ができて、いろんな話やテクニックや音楽の話ができるのはいいと思うし、

対バンをやらせようって思った人(がいると思うんだけど)の存在もすごいと思う。

 

おそらく、これからも活動の主なステージは日本になるだろうし、

日本ではバンドの底辺がものすごく広いし、

勢いのある若手から、大御所まで年齢層も幅広いので、

その中でやっていくことについて、考えてくれる人がいるのなら、それはいいなあと思う。

 

その時、リダのあの「化粧なし」のビジュアルが、

相当な「強み」になることは間違いないわけだし。

 

そのためにも、いつか、わあ、リダ、今回の曲はいいね!

と思えるような曲に出会ってくれたらなあと思うばかりであります。

 

「月と太陽と君の歌」 by Kim Hyun Joong