去年11月にソウルに行った時は、「アイリス」の放送がはじまったばかりだったせいか、
あちこちでペク・チヨンの「忘れないで」を聞いた。
それで「忘れないで」は「イッチ マラヨ」というのだと覚えた。
日本語の「言っちまえよ」にも「行っちまえよ」にも似てる。
「~マラヨ」は「~しないで」だから、
どうしても「言わないで」「行かないで」と覚えそうになるが。
まあ、すがる言葉にはまちがいない。
「忘れないで」というタイトルの曲は日本ではドリカムも歌ってるし、Kiroroにもある。
「覚えていて」というより「忘れないで」っていうほうが切なく聞こえるのかもしれない。
「覚えていて」のほうが強気かな。忘れさせないわよ、という感じがするかも。
「私を許さないで 憎んでも覚えてて」という。さすがバブル時代の女は強気だ。
東方神起にも「忘れないで」と言う曲がある。
「The Secret Code」は大好きなアルバムで繰り返し聴いているけど、
いまさらながら、彼らの曲の歌詞は、彼らの今を暗示するようなのが多い、と思う。
そのころから将来のある一点にむかってまっすぐに進んでいるような気がしてくる。
なのでかえって切なくなる。
それまで自分たちと同じ世代にむけて歌ってきた彼らが、
はじめて年上の女を誘惑し始めた曲が「呪文 -Mirotic-」なんだそうだ。
それが収録されたこのアルバムはその誘惑ムードが全開なんだろう。
もし彼らに「そんな気はない」としたら、そのほうがずっと怖い。
風になって そっと包みたい
君がいる世界に すぐ飛んで行きたい
知ってるかなあ。
風はひとところにはとどまらないんだよ。
きれいな水も流れなければよどんでしまう。
風に飛ばされたり、流れにのみこまれたくなければ、
はむかってみることもいいけど、
すっと流れにのったら、また違う場所へ行かれるかもしれない。
ソウル滞在中に覚えた言葉だったので、
空港まで見送ってくれたイムさんに「イッチ マラヨ」と言おうと思っていたのに、
搭乗手続きや荷物やらで言いそびれてしまった。
思いは言葉にださないと、伝わらない。